・ガンダムに関する、ちょっとした知識をまとめました。


 TV版と劇場版との違い 【機動戦士ガンダム】

 劇場版3部作は、TV版の総集編的内容となっており、いくつか削除されたエピソード、また整理されたエピソード、そして変更されたエピソードというのが存在します。そこで、この3つの要素ごとに主なものを以下にまとめてみます。

■削除された内容■
 第3話「敵の補給艦を叩け!」
    ガデムの駆るザク(旧ザク)が未登場。
 第11話「イセリナ恋のあと」
    イセリナのガルマ仇討ちエピソードが削除。
 第14話「時間よ止まれ」
    全エピソード削除。
 第15話「ククルス・ドアンの島」
    全エピソード削除。
 第18話「灼熱のアッザム・リーダー」
    マ・クベとキシリアの駆るアッザムが未登場。
 第25話「オデッサの激戦」
    マ・クベの水爆発射エピソードが削除。
 第31話「ザンジバル追撃」
    デミトリーの駆るザクレロが未登場。
 第32話「強行突破作戦」
    トクワンの駆るビグロが未登場。
 第37話「テキサスの攻防」
    マ・クベの駆るギャンが未登場、
    およびマ・クベの戦死エピソードが削除。
 第39話「ニュータイプ、シャリア・ブル」
    全エピソード削除。
    シャリア・ブルの駆るブラウ・ブロが未登場。

■整理された内容■
 黒い三連星登場とオデッサ作戦発動を絡め、一連のエピソードとして扱うようにした。

■変更された内容■
ガンダムが大気圏突入する際、TV版では耐熱フィルムを使用していたが、劇場版では冷却フィールドを使用するようになった。
「Gアーマー」が未登場となり、代わりに「コア・ブースター」が登場した。
  (Gアーマーは玩具主導のメカだったため、あまりにもおもちゃっぽかった)
スレッガー・ロウの声優が変更された。
   TV版:玄田哲章  劇場版:井上真樹夫
ハヤトが宇宙ではガンタンクに乗らなくなり、ガンキャノンに乗るようになった。
ギレン・ザビの秘書として、セシリア・アイリーンが新たに登場。


 セイラが喋らなかった理由 【機動戦士Ζガンダム】

 第37話「ダカールの日」で、クワトロの演説を聞いているセイラがいるのですが、一言も喋りません。ホワイトベースの元クルーだったわけですから、一言くらい喋ってもいいのに…。
 その理由は、セイラ役の井上瑤さんがインドに旅行中につき、スケジュールが合わなかったためです。


 Ζのサブタイトル 【機動戦士Ζガンダム】

 富野監督のシナリオの第1稿では、サブタイトルが「逆襲のシャア」となっています。このことからも、Ζの主人公がカミーユではなく、実はシャアなのだということがわかります。
 しかし、シャアが逆襲するというエピソードは後の作品(映画「逆襲のシャア」)に回され、Ζでシャアが逆襲することはありませんでした。


 ミネバはどこへ? 【機動戦士Ζガンダム】【機動戦士ガンダムΖΖ】

 Ζガンダムの中盤で、アクシズの総帥として登場するミネバ・ザビ。彼女は、ガンダムΖΖの最終回まで登場し続けるのですが、ガンダムΖΖの最終回に登場するミネバは影武者でした。では、本物はどこへ…?
 これについては諸説あるのですが、もっとも有力な説は、Ζガンダムの最終回の直後、シャアがミネバを連れ去り、どこかのコロニーで静かに暮らさせているというものです。
 シャアは、ミネバをザビ家の呪縛から解き放ちたいと願っていましたので、この説が正しいように思います。


 幻のモビルスーツ 【機動戦士ガンダム 逆襲のシャア】

 逆襲のシャアにおいて、アムロはνガンダムを駆り、シャアはサザビーを駆ります。このモビルスーツは出渕裕氏のデザインなのですが、当初は永野護氏デザインのモビルスーツを起用する予定だったのです。
 そのモビルスーツは、「Hi-Sガンダム」と「ナイチンゲール」。
 「Hi-S」とはシャアを越えるという意味で、富野監督が名付けたそうです(正しいシャアのスペルは「Char」。ですから本来なら「Hi-Cガンダム」になるべきですね)。
 この2つのモビルスーツとも、今までの常識をくつがえす、とんでもないデザインだったそうです。ですが、結局はボツに。
 永野氏は、自分の画集の中で「Hi-Sガンダムとナイチンゲールのデザインには自信がある」とおっしゃっています。いつか、そのデザインを見たいものです…。

 ちなみに、小説版「逆襲のシャア」でシャアが乗るのは「ナイチンゲール」ですが、これは永野氏デザインのものではなく、出渕氏がサザビーをデザインする過程において描いたデザインです。


 ベルトーチカはどうしたの? 【機動戦士ガンダム 逆襲のシャア】

 Ζガンダムでアムロと恋人関係になったベルトーチカ。しかし、逆襲のシャアでのアムロの恋人はチェーンです。では、ベルトーチカはどこへ行ったのか?
 実は、小説版ではアムロとベルトーチカは同棲しており、ベルトーチカのお腹の中にはアムロの子供がいます。ですが、映画化にあたり、主人公が子持ちというのはいかがなものか…という意見が出て、急遽ベルトーチカは出なくなりました。その代わりがチェーンなのです。
 ちなみに、小説版のベルトーチカと劇場版のチェーン、やっていることは基本的に同じです。


 クロスボーン・バンガードのその後 【機動戦士ガンダムF91】

 F91を見終わると生じる疑問、それはクロスボーン・バンガードはどうなったのか?ということ。
 F91の後の時代を描いたVガンダムでは、クロスボーン・バンガードの名前は登場しません。ですので、その頃には滅んでいたものと推測されます。
 では、どうやって滅んだのか…?
 これに対しては答えはありません。一応、コミックで「クロスボーン・ガンダム」というのがあり、それはF91の続編のような内容になっています。しかし、富野監督製作によるアニメでの続編は今のところ存在しません。
 これに対する明確な答えは、新たな作品が制作される日まで謎に包まれたままでしょう。


 幻のガンダム作品 【GUNDAM BIGBANG PROJECT】

 ∀ガンダムの製作発表が行われた、ガンダム20周年記念イベント「GUNDAM BIGBANG PROJECT」。このイベントの中で、会場限定の作品が公開されました。
 その名は「GUNDAM -Mission to the Rise-」。
 監督はあの「AKIRA」などで有名な大友克洋氏。
 わずか3分ほどの内容でしたが、CGで描かれたその世界は、ものすごい迫力をもっていました。
 見ることができて良かった…。


 登場するはずだったメカたち 【∀ガンダム】

 作中では、「発掘」という名でかつての作品の数々のモビルスーツが登場しました。ただ、登場する予定であっても、実際に登場しなかったものもあります。それらのメカを紹介しましょう。

MS-08TX イフリート   【SSソフト 機動戦士ガンダム外伝】
 当初は、ルジャーナ・ミリシャの主力MSとなるはずでしたが、結局ザクにその座を奪われてしまいました。

RGC-80 ジムキャノン   【MSV】
 ウィル・ゲイムが搭乗するMSとなるはずでしたが、結局オリジナルMSのキャノン・イルフートにその座を奪われました。

強襲揚陸艦ホワイトベース   【機動戦士ガンダム】
 ウィル・ゲイムが発掘している宇宙船のはずでしたが、ホワイトベースを登場させるのは、あまりにもベタベタすぎるということで、オリジナル戦艦ウィルゲムに変更されました。

NRX-055 バウンド・ドック   【機動戦士Ζガンダム】
 ディアナカウンターが地球上で発掘したMSとして登場予定でしたが、富野監督の鶴の一声でオリジナルメカに変更されてしまいました。
 ちなみに、代わりに登場したMSはムットゥーです。

MSZ-006 Ζガンダム   【機動戦士Ζガンダム】
 登場予定MSの中に入っていたのですが、これを登場させてしまうとマニアが喜んでしまい、∀ガンダムの本来のターゲットである一般層には向かないとの判断で、ボツとなってしまいました。


 他の作品との関連性 【∀ガンダム】

 ∀ガンダムは、他の作品と関連性を持っています。明確に示されたわけではないのですが、その点を紹介します。

■宇宙世紀
 (「ガンダム」「Zガンダム」「逆襲のシャア」「F91」など)

 ボルジャーノン(ザク)、カプル(カプール)、ギャロップ(ギャロップ)、ズサン(ズサ)など、過去の一連の作品に登場したものが出ていますので、この点から考えても、∀の世界は、宇宙世紀の後の時代ということがわかるでしょう。

■未来世紀(「Gガンダム」)
 ターンXの使用する「シャイニング・フィンガー」は、シャイニングガンダムの必殺技です。
 そして、発掘されるモビルスーツを包んだり、∀ガンダムやウォドムなどに使用されていたナノスキン。これは、「自己進化」「自己増殖」「自己修復」の3大理論を持つDG(デビルガンダム)細胞の発展形でしょう。
 このことから、∀の世界は、未来世紀の後の時代ということがわかります。

■アフターコロニー(「ガンダムW」)
 コレンが「あのガンダムは!」と叫んだ時に思い出すガンダム、それはウイングガンダムゼロカスタムでした。
 このことから、∀の世界はアフターコロニーの後の時代であろうと推測されます。

■アフターウォー(「ガンダムX」)
 コレンの乗るイーゲルや、ヤコップ、ブルーノらの乗るゴッゾーのコクピットは、ガンダムXに登場したモビルスーツのコクピットと同じです。
 このことから、∀の世界はアフターウォーの後の時代であろうと推測されます。

 この他にも、黒歴史の真実として、過去のガンダム作品の映像が出てきます。時代のつながる順番がどうなっているのかは分かりませんが、全てのガンダム作品の世界の後の物語、それが∀の世界なのです。


 ギレンの演説 【機動戦士ガンダム】

 ガルマ・ザビの葬儀の際、ギレン・ザビが全世界に向け演説をするシーンが有名ですが、ここではその全文を紹介します。

我々はひとりの英雄を失った!
しかし、これは敗北を意味するのか!?
否! 始まりなのだ!

地球連邦に比べ我がジオンの国力は30分の1である
にもかかわらず、今日まで戦い抜いてこられたのはなぜか?
諸君!
我がジオン公国の戦争目的が正義だからだ!
これは諸君らが一番知っている。

我々は地球を追われ、宇宙移民者にさせられた!
そしてひと握りのエリートが
宇宙にまで膨れ上がった地球連邦を支配して50余年!
宇宙に住む我々が自由を要求して何度、連邦に踏みにじられたか!
ジオン公国に掲げる人類ひとりびとりの自由のための戦いを
神が見捨てるわけはない!

私の弟、諸君らが愛してくれたガルマ・ザビは死んだ!!
なぜだ!?

新しい時代の覇権を我ら選ばれた国民が得るは歴史の必然である。
ならば、我らは襟を正しこの戦局を打開しなければならぬ。
我々は過酷な宇宙空間を生活の場としながらも共に苦悩し
錬磨して今日の文化を築き上げてきた…

かつてジオン・ダイクンは
人類の革新は宇宙の民たる我々から始まるといった。
しかしながら地球連邦のモグラどもは
自分たちが人類の支配権を有すると増長し我々に抗戦をする。
諸君の父も、子も、
その連邦の無思慮な抵抗の前に死んでいったのだ!

この悲しみも、怒りも忘れてはならない!
それを…ガルマは…死をもって我々に示してくれた!
我々は今、この怒りを結集し、連邦軍にたたきつけて、
はじめて真の勝利を得ることができる!
この勝利こそ、戦死者すべてへの最大のなぐさめとなる!

国民よ!
悲しみを怒りに変えて立てよ、国民よ!
我らジオン国国民こそ
選ばれた民であることを忘れないで欲しいのだ!
優良児たる我らこそ人類を救い得るのである!


 ネオ・ジオン国歌 【機動戦士ガンダム 逆襲のシャア】

 劇中で、シャアとクェスが電車に乗った際、まわりの乗客が国歌を歌うシーンがあります。ここでは、その歌詞を紹介します。

星の光に 思いをかけて
熱い銀河を 胸に抱けば
夢はいつしか この手に届く
シャアズ ビリービング アワズプレイ!
シャアズ ビリービング アワズプレイ!!


 なぜ、セツルメントなの? 【G-SAVIOUR】
 G-SAVIOURの劇中で、セツルメントと呼ばれる人工建造物があります。しかし、その外見・使用用途など、どう見ても今まで「スペース・コロニー」と呼んでいたものと同じです。
 では、なぜセツルメントと呼ぶようにしたのでしょうか?
 それは、G-SAVIOURはアメリカでの放映を前提に作られたからです。英語でコロニー(colony)は、「植民地」という意味になります。つまり、アメリカではこの言葉に不快感を抱く人が多いので、違う単語に変更されたというわけです。

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