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オウガバトル



古の昔

力こそがすべてであり

鋼の教えと

闇が司る魔が支配する

ゼテギネアと呼ばれる時代があった

母なる大地に伝説あり。
人間と鬼の、覇権を巡る果てしなき争い。
オウガバトル伝説である。

神々が人間を創造した頃、
魔界では悪魔たちがオウガと呼ばれる鬼達を作り出し、
下僕とした。

オウガバトルよりも前の時代、
豊穣と葬儀の女神バーサに愛された人の王がいた。

王はバーサ神との間に娘『ダニカ』を授かる。
バーサ親娘は共に『豊穣』の力を持ち、
王の治める大地に繁栄をもたらした。

 あるとき、ダニカは
魔界の王にして冥界の王でもあるデムンザの手により連れ去られてしまう。
 娘を奪われたバーサと王の悲しみは、
地上を冷たく作物の育たぬ世界へと変えてしまったが、
その涙が枯れた時、バーサはダニカを取り戻すことを決意する。
バーサは冥界へと続くカオスゲートを開き、王と共に冥界へと下った。

 デムンザはバーサに対し、
ダニカを返す条件として『魔界に恵みを与えること』を要求した。
それを受け入れたバーサは、痩せた魔界の大地に恵みを与え、
デムンザの手からダニカを取り戻す。
 デムンザはバーサから得た恵みを糧に、
地上への侵攻、『オウガバトル』を始める。

デムンザの策略によって、
人間たちはオウガと大地をめぐって争わねばならなくなった。
 戦いは何千年にも及び、
人間は天を支配する神を、悪鬼は魔界を支配する悪魔を
それぞれ味方につけて戦い続けた。
しかし軟弱な人間は悪鬼たちの圧倒的な戦力の前に成す術なく、
多くの人間が殺され、滅亡の寸前まで追いやられたと言う…。

 そんな時、神々の父フィラーハの意を受けて
天空から舞い降りた三人の騎士と十二人の賢者たちは、
大地と魔界をつなぐカオスゲートを封印し悪魔の助力を断ち切ることに成功した。
瞬く間に形勢は逆転し、激しい戦いの末、ついに人間に勝利をもたらし、
大地の覇権は人間に移った。
戦いを終え、三騎士は天空へ戻り、
十二人の賢者たちは野に下り地上人に多くの知識を与えた。
こうして人間は大地の覇権を手にし、今日まで続く文明を築いたのである。

しかし不安がなかったわけではない。
悪鬼たちが地上を去る際、オウガバトルの再来を予言したからである…。

 オウガバトルが終結した後になっても、人間は争いを止めようとはしなかった。
勝利に溺れる人間は、“争い”は次の文明を生む“礎”だと語る。
人間に助力したことを悔やんだ聖なる父・フィラーハは、
天界に住む他の神々や戦士たちに下界と関わることを禁じた。
下界を哀れんだ三騎士の一人は命令に背き、
いつでも神の助力を得られるようにと一本の聖剣を残した…。

 聖剣の名はブリュンヒルド。

この剣を持つ者は神と交信出来ると言われており、
それは同時に天空や魔界を行き来するために使用されると言う。
人々は聖剣を崇め、その剣を密かに隠すことにした。

来るべきオウガバトルの再来のために…。